子どもの頃、大勢と遊ぶときの私は道化役だった。
おままごとならみんながやりたがる『お母さん』じゃなくて脇役をやる。『お母さん』はちゃんと自己主張できる、ハキハキした子がやるから、私はお呼びじゃなかった。
当然あまり楽しくないので、やっぱり一人の方が楽だし好きだなーといつも思っていた。
小学4年生か5年生のときだったと思う。保護者会か家庭訪問だったか、担任の先生が母に言ったのだ。
あまりお友達と遊ばない子ですね、と。
その時初めて、友達がいないとダメなんだ!しかも多ければ多いほどいい!という価値観を知った。(ともだちひゃくにんできるかなー)
それまで一度もそう思ったことはなかったし、強がりではなくそれを悲しいとか辛いとか感じてなかった私にとってその衝撃たるや。
でも母はなんだか悲しそうだし、大人の世界ではどうやらそういうものらしい。
そんなわけで頑張って一番合いそうなグループに入れてもらって休み時間や放課後は一緒に過ごすようになった。
だけどそれは義務感からの行動だったからどうしても不自然になる。
どうしたら友達を増やせるんだろう?好かれるんだろう?
自分の振る舞いに自信がないから人間関係の細かいことを異様に気にする子になってしまった。
例えば、〇〇ちゃんは他の子と接する時に比べて冷たいから私のことはいまいち好きじゃないのかもとか、同じグループの子は××ちゃんのお誕生日会に呼ばれてるのに私は呼ばれてないとか、そういうこと。
小学生とはいえ、女の子同士というのはグループや上下関係があってとても面倒なのだよね。
ますます上手に振る舞えなくなって、小学生の後半から中学時代にかけてあまりいい思い出がない。
本当は友達の多さは関係ない。
少なくていいから信頼できる人と心を通わせる訓練をしなさいと当時の自分に言ってあげたい。